代表あいさつ


過去の代表あいさつについては、こちらをご覧ください


こんにちは。

2026年度の代表を務めます、農学部森林科学科2回生の田口詩乃と申します。

3代目の代表ということで、よりこの会の活動を活発に、そして幅広いものとしていければと思っています。先輩方や同期の力、関係各所の皆様のお力をお借りしながら、楽しい(interesting and fun)会運営を行っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

初めに少し自己紹介いたします。私は、広島の地で生まれ育ちました。住んでいたのは中心部に近いエリアでしたが、広島は意外と自然が近くにある場所です。川が多く、また、海も山も近くにある街で、まさに森里海を感じられる場所と言えるかもしれません。小学校の社会では、カキの養殖の話題から森と海は川でつながっているということを学び、幼心に感動したことを覚えています。一方で、鳥獣害の被害も報道されることが多く、土砂災害の被害が多い場所でもあります。そんな広島で育った私は、「暮らしの基盤となっている森林を守っていくために何かしたい」という想いを持つようになり、森林科学科を目指し、現在は念願かなって森林について学ぶことができています。

「森里海」という単語を聞いたことがある人は少ないと思いますが、実は私もその一人でした。「里山」「里海」という言葉は知っていましたが、これらを一つにした「森里海」という言葉には、この研究会を通じて出会いました。しかし、森は川を通じて海とつながっており、これらの生態系の中で、様々な生き物、そして私たち人類がつながっています。一つひとつが独立しているのではなく、複雑に絡み合っているのです。そうしたことを考えると、「森里海」という言葉はこの循環・つながりをよく表している言葉なのだなあと感じます。

ここで、少し私の考察を――。一般的に「里山」「里海」などとそれぞれを分けて呼んでいるのは、現在森里海のつながりが見えにくくなっているからではないでしょうか。野菜も肉や魚も、スーパーに行けば何でもそろっていて、日本各地だけでなく世界から食材が運ばれてくる現代において、自然との関わりは薄くなっています。気温上昇で農作物が不作だ、漁獲量が減った、などという話はよく聞きますが、それらの原因は本当にそれだけなのでしょうか。実際に関連があるかどうかわからないにしても、私たちは知らぬ間に森と海、森と川といった生態系同士のつながりを排除して考えてしまっているように思います。それは、自然との距離が開き、つながりを実感する体験が減少しているからではないでしょうか。また、一対一の因果関係に収めてしまう方がわかりやすくて楽だからかもしれません。

前述したように、「森里海」のつながりは複雑です。単純には表せないし、現時点でこのつながりが明確にされてもいないと思います。だから、「森里海」を考えることはちょっとめんどくさいことかもしれません。しかし、この「ちょっとめんどくさい」けれど私たちには見えていなかった新たなつながりを知ることはとてもワクワクすることだ、と私は考えています。そして、「ちょっとめんどくさいけど、ワクワクする」ことを、一人ではなくて、同じように興味関心がある人々と一緒に、ああでもないこうでもないと考えられる場所が、ここ、森里海と文化研究会なのだと思っています。みんなで楽しみながら、時に真面目に活動する中で、新たな視点が広がり、最終的には森里海を守っていく一助を担えるような団体でありたいと思います。仲間と一緒に自然との関わりを考え、実際に活動する――。そんなことにご興味がある方、ぜひ私たちと共に新しい森里海を創っていきましょう。

一年間よろしくお願いいたします。

(2026年5月11日)

田口詩乃

撮影:田口
撮影:田口